人工授精と体外受精で生まれた赤ちゃん。
どちらのほうが障害を持つ可能性は高くなると思いますか?

人工授精とは…

人工授精とは、人の手によって精子を子宮に授ける方法です。
採取した精子を子宮に直接注入するのです。
その後の過程となる精子の卵管への進入→受精→着床などは自然妊娠と変わりません。

人工授精の妊娠確率は7~15%、平均すると10%前後。
自然妊娠の確率が約20%なので、実はそれほど高くありません。
(詳しくは“検査や薬なしで排卵日を予測できるタイミング法で妊娠確率アップ”をご覧ください)
人工授精は4~7回目くらいで成功することが多いようです。

料金は1万~3万円くらいで、病院によって異なります。

人工授精を5~8回行っても妊娠にいたらない場合は、人工授精では解消しない問題が他にあると考えられます。
次のステップである体外受精に移行することを考える必要があります。

人工授精はどんなときにするの?

人工授精はこんなときにします。

  • タイミング法ではなかなか妊娠できない
  • 精子が子宮に入るのをさまたげられている
  • 例えば、子宮頚管粘液不全や抗精子抗体があるなど(■不妊の原因参照)
  • 精子の数が少なかったり、運動性が悪い
  • 性行為がうまくできない
  • 原因不明の機能性不妊がある

また、人工授精が成功するためには以下の条件があります。

  • 卵巣で卵子が育ち、排卵がある
  • ピックアップ障害がない
  • 卵管が通っている
  • 子宮に受精卵の着床をさまたげる原因がない
  • 精液の中に一定数の精子がいる

もしも精液の中に精子が全くいない無精子症や、重大な遺伝的疾患がある場合は、第三者の精子を使うことがあります。

AIHとAID

夫の精液を使う場合をAIH(配偶者間人工授精)、第三者の精子を使う場合をAID(非配偶者間人工授精)と呼んで区別します。

AIDの場合、実際には夫と血がつながっていませんが、戸籍上は実の子供になります。

精子提供を受ける方法はいくつかあります。
一般的には医療機関で精子提供を受けることが多いのですが、最近ではインターネットを通じて個人で精子提供を受けるケースもあるようです。

ちなみに日本では精子の売買は認められていません。
AIDを行う病院自体も限られていて、医学部の学生などがボランティアで精子提供者になることが多いようです。

人工授精の手順

① 排卵日を予測

  • 卵胞の大きさを超音波検査で確認
  • 尿中ホルモン検査で黄体化ホルモンの分泌量を測定
  • 頸管粘液検査
  • 基礎体温表の観察

これらの検査から排卵日をほぼ正確に予測します。

② 排卵日に合わせて精液を採取

その日の朝に採取した精液を病院へ届ける。
もしくは病院の採精室でマスターベーションによって精液を採取。

③ 採取した精液を子宮内に注入

専用の注射器で精液を子宮内に直接注入します。

排卵誘発剤を併用したAIH

AIHには自然周期で行う場合と、排卵誘発剤を併用する場合があります。

排卵誘発剤を用いると複数の卵子を排卵させることになり、妊娠率は上がります。
自然周期で行う人工授精の1回目の成功率が7~10%なのに対して、排卵誘発剤を併用すると10~15%に上がります。
ただし排卵誘発剤を使用すると多胎妊娠になる確率が上がります。

子宮頚管に問題がある場合には自然周期の人工授精を行い、原因不明不妊には排卵誘発剤を使用するケースもみられます。

人工授精のリスクは?

人工授精は精子を子宮に直接注入します。
精子の卵管への進入→受精→着床などは自然妊娠と変わりません。
とても自然妊娠に近い治療法といえるので、生まれる赤ちゃんへのリスクはないと考えられています。
(体外受精や顕微授精では、障害を持つ赤ちゃんが生まれる確率が上がるという報告はあります。)

インターネットなどで人工授精を調べると、痛みのリスクがとても目立ちます。

精子を子宮に注入する際、カテーテルという細い管を使用します。
それによって痛みや圧迫感を感じる方もおられます。
排卵誘発剤を使用する場合は、副作用として生理痛のような痛みを感じることも。

しかし有名なある医師は、実際に痛みを伴う方はわずかだといいます。
ネットではリスクにばかり目がいってしまいがちですが、あまり気にしない方がいいのかも知れません。
人工授精のリスクが気になる場合は、担当のお医者さんと相談されるといいと思います。

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